私はセイに
カラダを支えられながら
辺りを見渡した。
私がカノンくんと登った
地下の階段
その踊り場の
出っ張りの陰で
水流から
身を守るようにして
セイはそこにいて。
地上まで
あと少しじゃないッ!
「こんなトコロで
いったい
何をしていたの!」
「何って…」
「心配
したんだからねッッ!!」
言ってやりたいコトは
いっぱいあったけれど。
「…心配ッ…!!!」
コトバより先に
無事だったセイの姿を
確認できたコトに
涙がどんどん
あふれてくるッ。
「…ごめん」
セイが
私の濡れた前髪を
撫で上げた。
「…まあ、ちょっと
困ったコトがあってさ」
「え…?」