私を抱き抱えながら
セイが
私のホッペを摘まんで
うにうに、するッ。
「…この指の真新しい傷が
お前の目には入らんのかッ」
「べ?」
…私の頬を刺激する
この絆創膏の肌触りッ。
「ゼイば
ごの指ど話をじていだど?」
「そう。
この指の話を
していたんだが」
セイが私の頬から
指を離した。
「あばらなんて
とっくに治ってるし」
「後遺症で
肩が上がらないんじゃ…」
「何だよ、それ」
「だってッ!!!
セイってば
カノンくんのコト
足で蹴って
ばっかだったしッ」
「はあ?
あんなヤツに手を使うのが
勿体なかっただけだ」
「弓を引くのも
カノンくんにやらせてたッ」
「…この指でまともに
弓が引けると思うか?」
セイの指が
私の視界の中
どアップになるッ。