「外には報道の連中が
いるんだろ?

こんな目立つ制服姿で
カメラに収まるワケには
いかないからな」


「……」

「何とか制服を脱ごうと
していたんだが」

ってッ!!!!!

「…それくらいでッ」


そんな体裁を
整えたいが為に

アナタは
ここに留まり続けッ


「今までずっと
そのホックと
格闘していたと?」


「それくらいとは何だ!

退学した学校の制服を
着ているんだぞ!

“ニセ学生”なんて
お前は
俺が笑い者にされても
構わないと言うのかッ」


「……」


ヒトの目が
気になるくらいなら

最初からそんなモノ
着なきゃいいのにッ。


「ホックぐらいッ
あの少女に外して貰えば
よかったじゃないッ」


「あの豚まんオンナッ!

お前達の姿が
見えなくなった途端
パニック起こしてさ

俺に抱きついてきて
ぎゃあぎゃあ
ウルサイのなんのって」

おかげで大事なケータイも
流されちまったんだぞ、って

そのシーンを思い出してか

セイの眉間に
深い深いシワが寄るッ。