対岸から
強いライトが一斉に
コチラに向けられて。
「…まぶしッ」
目を細めた瞬間
『少女です!
少女の姿が確認できます!』
ヘリの拡声器から
おおきな声が
聴こえてきた。
まばゆいライトの中
水から引き上げられる
少女のシルエット。
水面から
少女の足先が出たトコロで
激しく咳き込んでいる
少女のカラダを
ロープから吊るしたまま
対岸に向かって
ヘリがゆっくりと
移動し始めているけれど。
「…ちょっと待って」
セイは、どこ?
目を凝らして見るけれど
そこには
少女の姿しかない…。
「何で…」
どうして!!!!!
私のカラダと
ロープで繋いてあったのは
少女ではなく
セイのカラダだった
ハズなのに!!!
「セイ…ッ!?」
やがて対岸に辿り着いた
少女のカラダを
テレビのスタッフが助け出し
「え」
ヘリコプターが
仕事を終えたかのように
再びおおきく上昇する。
「待ってッ!
地下にはまだッ
セイが残ってるッ!!!」