本気ッ♂039
「カノンくん…ッ
死んじゃったり
してないですよね!?
息ッしてます…よね!?」
セイが抱きかかえている
カノンくんを
懐中電灯で
照らしながら
少女の声が震えていた。
「……」
そんな少女の問い掛けを
無視するようにして
セイは
カノンくんの制服の
第1ボタンを外している。
「救急車、救急車ッ!
呼びましょう!」
少女がポケットから
自分のケータイを
探り出そうとして
懐中電灯の灯りが揺れた。
「救急車を呼んでも
こんな地下まで
入ってこれないし
レスキュー隊も
出払っているだろうな」
セイの冷たいセリフに
「…そんなッ…!」
少女がコトバを失っている。
…セイの言ったコトは
現実なのかも
しれないけれど。
大好きなオトコノコの
加害者になってしまった
少女にとって
それは
あまりにも厳しいコトバで。
「トーコ!
何をしている!
さっさと
そこから降りてきて
俺を手伝え!」
「えッ!、私ッ!?」