「そう言えば
カノンくんは?」


如才ないカノンくんが
こういう場面に
顔を出して来ないなんて。


「…カノンくん。
ちょっと
熱を出しちゃってね。

大事を取って
入院しているの」


ってッ!!!


もしかして
どこか怪我をして

「顔が2倍に
腫れあがっちゃった
とか!?」


「……」
「……」

「……」

ママとパパの
アタマの中に

どんなカノンくんの姿を
想像したのかは
難くはなかったがッ。


「熱を出したッ
だけだからッ」

笑いを堪えてる
パパの様子に

カノンくんが
深刻な状況でないって
コトを確信するッ。


…何だかんだ言っても
おぼっちゃま育ちだから。


「カノンくんの学校の
校医さんの病院に
入院しているから

今日はママ
カノンくんに
付き添っててて
あげようと思うの」


…校医さんって
たぶん

ねずみ〜らんどの先生の
コトだよね?


「…カノンくん」

大丈夫、かなッ。


カノンくんも
かなりの美少年だから

いろんな意味で
何だか不安だッ。

「…学校の帰りに
私もカノンくんの様子
見てこようかな」


重いカラダにムチ打って
私は学校に行くコトにした。