「ふたりとも
そのまま動くなッ!」
セイの大声に
少女とふたり
ますます身が固まってッ。
ユラ、ユララ。
「……」
呼吸するコトすらも
躊躇われる
この極限状態ッ。
「もう
私、ダメかもしれない」
少女が
私ん足元で
弱音を吐いた。
「…大丈夫だよッ」
ちいさな声で
早口になってしまったけれど
それは精一杯の
励ましだったのだけどッ。
「アナタはハシゴの上で
しがみついてるから
そんなコトが
言えるんですよ!」
不安いっぱいの目をした
少女と目が合うッ。
「…確かにッ」
私はハシゴの上に
乗っかっている、という
カンジだけれど
少女は
そのまま丸焼きが
似合いそうなポーズで…。
「いかんッ」
こんなときに
なんて不謹慎な発想をッ!!
私は顔面に力を入れて
自分を戒めたッ。
「お〜し。
揺れが収まったぞ!」
セイの声にも
私はグッと
目を閉じたままでいて。
「どうした、トーコ?
ションベンなら
我慢せずに
そのままそこで
すればいいからな!」
「!!!!!」