本気ッ♂037


「弓道場なんだから
もっと鏃が鋭いヤツとか

弓道場の持ち主の
コレクションの中に
あっただろう!?」

セイは
カノンくんが運んできた
矢を手にして

不満を漏らしている。


「銃刀法で
規制されているのに

こんな場所にそんなモノ
持ち出しなんか
出来るワケないでしょう?」

カノンくんは
セイの苛立ちを
軽く往なして

矢筒の底から
細いロープを取り出した。


「幅、9mm。200m」

セイは持っていた懐中電灯を
カノンくんの胸元に
押しつけると

バラしたロープを
左右に軽く引っ張って。


「…引張の強さは
2&;#44;000kgfくらいってトコか」

機嫌の悪さを
アピールするかのように

ロープについていた
管理札を乱暴にちぎって
捨てる。


「…そうやって
ゴミをどこにでも
捨てる人間がいるから

肝心なときに
流水口がゴミで
詰まったりするんですよね」


カノンくんッ

そのひと言は
余計ですッッ!!!


セイの捨てた紙切れを
拾おうと身を屈めた
カノンくんのその肩を

ガッ!

セイが足蹴にしてッ

バシャンッ!

カノンくんが
派手に尻餅をついた!!!


「カノンくんッ!?」

大きな水音に
フクフク少女が下を見て

大声を上げるッ。


「あ、パンツ
ホントに見えた」