「…冗談だよね?
セイ?」
「…でも、トーコさんに
もし当たったら…」
ってッ!!!
アナタ達は本気で
私のいる方向を
狙っているんですかッ!?
躊躇しているカノンくんに
「トーコなら
動体視力もいいから」
なんてッ
セイッ!
アナタは
私がハシゴを支えているのを
お忘れかッ!!!
「自信がないなら
俺がやるけど?」
「…的は
トーコさんの後ろに見える
天井部分ですよね」
カノンくんのおっきい目が
こっちを睨んでいてッ。
「やめようよッ!
そんな度胸比べみたいな
ギャンブルはッ」
ゴウッッ!!!!
私の訴えをかき消すような
轟音が
地下道を振動させて!!
ゴオオッ!!!
「なッ、何ッ!?」
一斉に
みんなが緊張する!
「水が凄い勢いで
流れ込んできましたけどッ」
少女が
悲鳴のような声を上げ
「この角度だ、カノン」
セイが
弓を構えるカノンくんの
弓の角度を補正して
ハシゴと自分のカラダで
弓を固定した!!
「トーコッ!
カラダを床にくっつけて
しっかり伏せていれば
矢先は
絶対に当たらないから!」