駅のホームにいた彼女に
声を掛けたとき

「もうッ、誰もッ
信じられないから…ッ!」

確かに少女は
そう言っていたけれど。


…一方的に
絶交でもしているのかな?


それにしたって

ご学友の
この空気を読まない
なれなれしさ!


わざと、なのか。


それとも

本当に
相手の顔色を読むコトが
出来ない
我が道を行く集団なのか。


「……」

小憎たらしい少女では
あったけど

やっぱり
どこか同情してしまう。


「…もしかして

このおね〜さんに
仕返しとか
されちゃってたワケ?」


「!!!」

女子中学生から
集団で向けられる
私への疑惑の目ッ!


少女の汚れたスカートを
摘まみ上げながら

オンナノコ達が
私のコトを
睨んでいてッ!!!


「違いますッ!」


それは、その子が
ひとりで転んだんです、と

状況を説明している自分が

年下の中学生相手に
敬語を使ってしまっているのは

何故なのかッ。


情けないッ。

情けないぞ、トーコッ!!!


気がつくと

ぐるり三方を
取り囲まれていてッ。


「…ごっくんッ」

思わず白いペンキの
落書きを思い出し

身構えたッ。