本気ッ♂026
「う〜〜〜〜んしょッ」
「よ〜〜〜〜いしょッ」
「う〜〜〜〜〜〜ッ」
「…いちいち
私のカラダを泥の中から
引っ張り出すのに
妙な声を出さないで
くれますかッ」
泥の中に足を取られて
身動きできない少女が
おおきめの上半身を
揺らせながら
訴えてくるッ。
「……」
…ヒトに助けて貰って
おきながら
なんて言い草だ、とは
思ったけれどッ。
制服のスカートの
裾から覗き見える
少女の
泥つきの白い立派な足ッ。
確かに
私も無意識とは言え
畑でおおきなカブを
引き抜くイメージで
少女の腕を引っ張って
しまっていたから
何も言い返せずにいて。
「…じゃあ。
私のカラダを掴んで
自力で這い上がってこれる?」
私は少女に
背中を向けるようにして
近くにあった樹の
おおきく張り出した根に
片ヒザをつくようにして
しがみつき
「どうぞッ!」
来たるべき
重量級の衝撃に耐えるべく
両足で踏ん張ったッ。
「…ガマガエルみたい」