「……」
あの可愛い
ふくふくホッペから
発せられたであろう
その暴言ッ。
誰が好き好んで
こんなポーズッ!!!
…このまま
この子を見捨てて帰ろうか。
悪魔のささやきが
私のアタマの中を
支配するッ。
「…ッッ!!!!」
少女の指に私のお尻を
むんず、と鷲掴みされ
あまりの想定外の痛さに
私の思考力が止まった。
と、同時に
得体も知れぬ重さが
ずんッ、と
私の背中に掛ってきてッ!
「……」
少女の
ふわふわイメージが
少女の
ふわふわイメージがッッ!!!
まるで…!
「うおッ!?」
「あら、ごめんなさい」
…イケない例えを
思い描こうとしていた
私の後頭部が
少女の足の下敷きになるッ。
「……」
「…酷い顔」
少女が
クスッと笑った声が先か
ケータイカメラの
フラッシュが
私に向けられて
光ったのが先だったのかッ。
「…カノンくんも
こんな顔を見れば
百年の恋も冷めるでしょう」
なんて。
セリフは
憎たらしかったけど
その表情は
今にも
泣き出しそうだったから…。