そっとカラダを反転させると
「壊れたケータイ。
おじいちゃまが
直せるかも、って!」
「……」
少女のセリフに
私の足の起動も止まったッ。
壊れたケータイを
「直せる?」
このおじいちゃんが???
「…気功とか念力とかで?」
「水が入って壊れたのなら
ケータイから
すぐに電池をお外しなさい」
基板内でICチップが
ショート破損したら
修理も不可能になるから、と
白いおじいさんが
さっきはなかった
立派な入れ歯を見せて笑うッ。
「…キバン?、アイシー?」
…なんか。
弓道の道場着姿の
おじいさんに
あまりにも不似合すぎます
その専門用語ッ。
「ほら。時間が経てば経つ程
復旧率が落ちますぞ」
「えッ。
そ〜なんですかッ!?」
一度は諦めたデータに
一分の望みが芽生えて
私はテンパリながら
ポケットからケータイを
取り出したッ。
「おじいちゃまに
任せておけば大丈夫」
なんて
私は少女に引っ張られッ
弓道場の中へと引き込まれる。
「まかせておけい」
おじいちゃんは
そう力強く宣言すると
おもむろに
白い着物の肩肌を脱いでッ。
「なッ、何ッ!?」