本気ッ♂025


誰だって

良かれと思って申し出たモノを
断わられるのって

平気な顔をしてみても

言わなきゃよかった、って
思ってしまうモノで。


どうして
私を受け入れて
くれないんだろう、って

たったひとつの
善意の申し出のハズが

何か自己否定でも
されたような気にさえ
なってくる。


「母さんの心遣いを
無駄にするなんて

カノンも
いい度胸してるよな」


”歓迎の空振り”を
されたしまったママは

フォローして貰えたけれど。


この子は

自分のらしからぬ好意

ううん。

もしかしたら
巧妙なワナ、を

バカにして下に見ている相手に
拒絶されて

傷つけられたプライドを

誰かに癒して
貰えるのかな。


…なんて

思いっきり
目の前にいるこの子に
同情してしまっている私は

やっぱり
甘いんだと思う。


だから。

「ゴメンッ!
私、駅に戻るね!」

少女の顔を見ないようにして

駅に向かって
私は踵を返したのに!!!


ブルルルルルルッ。

そんな私の決意を
くじけさせる

ポケットの中で
着信を知らせる

私のケータイッ。


「電話…?、あッ」


セイからだッ!!!!!