「…勘弁して
くださいよおおお」

私は必死の思いで
リダイヤルするもッ


「あれ?」

電話から音がしない。

「……」

画像の表示も消えていて。


「…まさかの電池切れ?」

「雨水が中に入って
壊れたんじゃないですか?」


え。


「ええええええッ〜!!!?」


パンパンパンッ!

パパンがパンッ!!!


「もしもし
もおおおおし〜ッッッ!?」

パンパンパンッ!!!!


「…ケータイは
叩かない方が…」

そんなコトッ!

「何度も言われなくても
わかってますッ!!!」


叩こうが
語り掛けようが

コト切れたまま

ケータイからの
反応はなく…。


「…さっさと歩いて
目的地に向かった方が
賢くありませんか?」

少女は私のヒジを掴むと

ツカツカと早歩きで

信号待ちの車の間を
縫うようにして
道路を横断していった。


「ちょっと、待ってよッ」


「ケータイも壊れたんですし」

もう予定通りに歩くしか
ないでしょう、なんてッ!