雨粒が飛び散り
危険いっぱいの
カサの骨先ッ!!!
オトコ達が堪らず
自分の目を守るように
後退したッ!
「チャンスッ!」
私は
後部座席の床に転がっていた
オトコの持ちモノであろう
カサを掴んで
後部座席のオトコに向けて
おおきなカサを開くッ!
「逃げるのよッ!」
私は少女の肩を外に
押し出したッ!
「きゃ」
不意に私に押し出され
バランスを失った少女が
手にしていたカサの先が
「うおッ!?」
外にいたオトコの
目の前に迫り
オトコが勢いよく
尻モチをつくッ!
「な、何をさせるんですかッ」
危うくヒトを殺めてしまう
トコロだったじゃない
ですかッ、と
真っ青な顔で
私に訴えてくる少女を
私は構わず
肩で車外に押し出したッ!
「…なめんなよッ!」
後部座席で
私に動きを押さえ込まれていた
オトコが
反対側の車のドアを開け
車外に出ようとして!
ブッブッブーーーーッ!!!
パッパーーー!
雨で視界の悪い中
行き交っていた車達が
オトコが開けたドアに
進路を阻まれ
車の流れが止まり
あちこちで
クラクションが鳴り響く。
「走るよッ!」