ふくふく少女には

申し訳ないとは
思ったけれどッ

ここは
おおきく話題を
転換するのが

みんなの利益ッ!


「あの手紙ねッ!

この子が書いたんじゃ
ないんだッ」


私は
少女の戸惑いの眼差しを
無視して

カノンくんの頭頂部に
訴え続けるッ。


「…そんなの
わかってましたよ」

「え」


「彼女の書道の作品を
いくつか見たコトが
ありますし」

カノンくんが顔を上げて
初めてこっちを見た。


「ウチの学校の
弓道部宛てに
送られてきた作品に

添えられていた
彼女の手紙の文字だって…」

右に偏っていた
ラブレターの文字とも

窓に書かれた
落書きの文字とも

「全然違っていたから」

って!!!

「!!!」

フクフク少女よッ!!!
よかったねええええ!!!


誤解されてると
ずっと思っていたから

そんなコトはなかった、って


カノンくんの顔を

きっと少女は
万感の想いで見つめているに
違いなかった。


のにッ!!!!


「…で。

トーコさんの写真を
持ち出したのも

キミのお友達の
入れ知恵なワケ?」


え?


「キミのおじいさんに
修理を依頼していた
僕のケータイの中から

写真を持ち出したのは
キミだよね?」