「セイ〜!!!?」

どうして
返答がないんですかッ。


アナタのそういう沈黙は

私をすっごく
不安にさせますッ!!!


「セイってば〜!!!」

下を覗き込むと

俯いている
セイの後頭部が見えて。

やだッ。

こ〜ゆ〜のはマジ
勘弁してくださいッ!!!


「セイいいいい〜〜〜」

情けない声を出す私を

「しッ!」

セイが制して。


「…水の音が変わったから
ちょっと様子を見てくる」


ってッ!!!!!


「ちょっと、セイッ!?」


か弱いオンナノコふたりを
こんな状態のまま放置して

アナタはひとり

どこへ行こうと
言うんですかああああッ!!


私の訴えも空しく

セイは地下通路の奥へと
消えていって…。


暗闇がまた
目の前に広がった。


「…大丈夫
なんでしょうか?」

少女がまた不安を口にする。


「今のヒト
何だかとっても
頼りない、って言うか…」

アタマの中は
肉まんのコトで
いっぱいだし、ってッ。


「……」

もしセイに聴かれてたら

…想像するのも怖いですッ。


「やっぱり警察とか消防署に
連絡しましょう!」

胸ポケットから
ケータイを取り出す
少女の動きに

ハシゴの重心が左に傾いて

ギギ。

…嫌な音がするッ。