暗闇の中

ふくふくホッペの少女の
黒目がちな目が

…うるんで
光って見える。


「…カノンくん

私のコト
すっごく怒ってると
思うけど」


「……」

「嫌われてる、って
…わかってるけどッ」


少女の声が

どんどん
か細くなっていって。


「…私ッ…」


力なく
うつむいたかと思ったら


「……」

とうとう
少女は黙り込んでしまった。


「…大丈夫だよ」


「……」


「カノンくんは
賢い子だもんッ。

ちゃんと話せば
わかってくれるから!」


根拠もなく
勝算もなく。


気がつくと

私は必死で
少女を励ましていて。


執念深く
プライドの高い
カノンくん。


一筋縄にいかないのは
わかってはいたけれど

それでも
励まさずには
いられなかった。


のにッ!!!


「話せばわかって
くれるハズ、なんて

相変わらず

お前のその自信は
どこから来るんだ?」


ってッ!


「セイッ!」