地下に響く
ケータイ電話の音ッ。
こんなとき
こんなタイミングで
誰なんだッッ!!
「!!」
不満げな私の顔に
セイが思いっきり
持っていた懐中電灯を
当ててきてッ。
「まぶしッ」
私と少女の問題を
放置したまま
「はい」
セイは
電話を優先したッ!!!
「…うん、うん。うん」
掛ってきた電話に
セイは終始笑顔で
頷いているみたいだけど。
…誰からの電話なんだろう。
「もっとよく探したのか?」
ってッ!
もしかして電話の相手は
カノンくんッ!?
そうだよねッ。
絶対そうだよッ。
きっとカノンくんが
私達をレスキューする為の
何かを
セイに言われて
探しに言ってたに
違いないッ。
でなきゃ
この非常時に
電話を切るワケでもなく
この状況を
相手に伝える様子もない
なんて
おかしいモンねッ。
…だけどッ。
「何をいってるんだよ。
バカだなあ!」
あははは、なんてッ。
私と少女に向かって
交互にライトを当てながら
えらく楽しそうに
話し込んでいますけどッ。
「……」