「最初に電話を貰ったときは
本気でセイのコト
心配したんだからね!」
「心配したのは
最初だけかッ!
3歩歩いたら全てを忘れる
ニワトリ並みの
脳神経の短さだな!」
「私はッ!!!!!」
「おコトバですけど
肉まんなんて最初から
そのヒトは
持ってませんでしたよ!」
「!!?」
ふくふく少女の大声が
私とセイの喧騒を
一瞬にして鎮静化したッ。
「何を勘違いしているのか
知りませんけどッ。
そのヒト
ティッシュすら持ってなくて
コートの袖口で…」
「あああああああああッッ」
私を援護してくれている
その気持ちは嬉しいけれどッ
鼻を拭いた、のくだりは
セイには絶対に
訊かせたくはありませんッ。
大声で少女の発言を
遮ったまでは
よかったけれどッ。
「…肉まんって
言うのはだな」
「どああああああああああ」
セイが真面目なトーンで
少女に要らぬ説明を
しようとするからッ!!!!
「もおおおおおッ!
本当にピンチじゃ
なかったんなら
お互いさま、ってコトで
もういいじゃないッ」
何とかこの場を
治めようとしたのにッ!!!
「…ニワトリの分際で
逆切れか?」
…シツコイ、クドイは
嫌われるオトコの
条件ですッ。