赤みがかったライトを
覗き込みながら

私はそっと目を閉じた。


「ちいさい頃のセイは
かくれんぼしてても

なかなか
私を見つけられずに
いたからなあ」


ちいさいセイを
足手纏いに感じては

わざとセイを
置いてけぼりにしたりして。


今、思うと
なんて身勝手な私だったと
思うけど。


あのときの仕返しとばかり

今ではすっかり
立場が逆転している。


「…不思議だな」

冷たいコンクリートが
何だか
あたたかく感じられてきた。


雨に濡れて
重くなったコートさえも

背中の上で

私のコトを
やさしく包み込んで
くれているかのようで。


「……」

私は今

深い、深い眠りに
落ちようとしている。


想像以上に
冷え切っていたカラダ。


自分が雪山の遭難者の
幻覚のようなモノに
襲われているなんて

そんな自覚が
今の私にあるワケもなく…。


「もお〜いいか〜い」

「ま〜だだよお〜お」


セイとの
なつかしい想い出が

走馬灯のように
アタマの中に
浮かんでは消えていって。


「セイ…」

早く私のコトを
見つけ出しなさいよ。


私はセイに語り続ける。


そんな私の声なんて

セイに聴こえるハズなど
なかったのだけれど。



「…トーコッ!」

幻聴に
突き動かされるようにして

嫌な胸騒ぎに


セイは

先を焦っていた。





熱愛ラッシュ!

本気ッ♂031

≪〜完〜≫


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