タイツのコトは
全然、怒られたり
しなかったのに

どうしてセイを
叩いたりしたんだ、って


「あのときはママに
こっ酷く
叱られたんだよね〜」


私の足元でガガガ、と

ローラースケートの
車輪の音が
自己主張する。


「…あの頃のセイは
本当に可愛かったのに」       


どこでどう違って

あんな風に
育ってしまったんだろう。


なんて

油断をして走っていたら。


「おッ!」


石の通路が
突然、終わりを迎えていて。


「と、とッ」

コンクリートとの継ぎ目に

私はローラースケートの
車輪を引っ掛けてしまった!


「とッ、とおッ!、お!」

何とか

自慢の運動神経で
バランスを保持して

踏ん張ってッ。


必要以上にしっかりと
ローラースケートを
足につけていたのが
幸いするッ。


「幼い頃の教訓が
今になって役に立つとはッ」


だけど。

「…行き止まり?」


緩やかなカーブの先には

2つの出口が
私を静かに迎えていた。