「こんなハシゴを
あのオンナノコ達が
降りてきたのかな」


私が鉄のハシゴに
手を掛けると

赤茶けたサビらしいモノが

掌にいっぱい付着した。


「…あの白い制服で
登り降りしてたら

制服が凄いコトに
なってるハズだよね」


薄暗い通路の中だったから

あの子達の制服も
薄汚れていたのに

私がそれに
気づかなかっただけかも
しれないけれど。


「通路の外に出たら
嫌でも
他のヒトの目に触れるのに」


汚れるのがわかってて

あの子達が

こんな通路を
わざわざ選んで使うとは

到底、思えない。


そうなると

「こっちの
マンホールみたいなのが

出入り口、ってコトに
なるのかな」


ギギ。

錆びついた音を立てながら

意外と見かけより軽いドアを
私は手前に引っ張った。


「?」


コンクリートの階段が
ゆるやかに

だけど

さらに地下に向かって
続いているみたいだ。


しかも。

「奥は真っ暗だしッ」


ドアの傍に

電気のスイッチらしいモノを
見つけたけれど。


カチッ、カチ。


「…点かないな」


…どちらの出口も
出口として

相当、疑問が残るけどッ。