「駅員がすぐに
駆けつけてきて!」

「あのときの
あのオトコノコの顔ったら
なかったわよね!!!」


きゃはははは〜♪


彼女達の思い出し笑いが

石の通路に甲高く
響き渡った。


「…痴漢とかやったワケじゃ
なかったのに」


「オンナノコに
シツコクつきまとうだけでも

充分、条例違反でしょ!」


私の呟きに

オンナノコ達が
猛烈な勢いで反論してくる。


「…だからって
駅員さんまで呼ばなくても」


少女が
ちいさな、ちいさな
消え入りそうな声で

呟いていた。


「何、言ってるのよ!」


「トイレの前で
待ち伏せしている男子から
逃げたいか、って
私が訊いたら

逃げたい、って
ふたつ返事で答えてきたのは

アンタでしょ!!!」


「…だって!」