持ってないハズの
ケータイの存在。

私の写真を
隠し持っていた事実。


「……」

カノンくんには
ナゾな部分が多すぎる。


ちょっと前までだったら
もしかして
私のコトを好きなのかな、と

勘違いしたかも
しれないけれど。


何だか素直に
そう思えないのは

この石の通路から
漂ってくる

カビの匂いのせいなのか。


「あれ?」


静かな石の通路。


何故だか
セイの声が
聴こえた気がして。


「……」

気のせいか。


「セイ、今頃

ハラワタが
煮えくりかえるくらい
怒ってるだろうな…」


すっかり
遅くなってしまってて


「何だか
セイに遭うのも

怖い気もするけれど」


この恰好を見たら
セイだって

私が頑張って
掛けつけようとしたって
わかってくれるよね。


ズズズ、と
鼻をコートの袖で
また拭いて。


通路にひとり残された私は
少女達と反対の方向へ

ローラースケートの
カカトを鳴らして

勢いよく掛け出した。


それが地獄の入口へと
続く道だ、と

気づく術もなく…。





熱愛ラッシュ!

本気ッ♂029

≪〜完〜≫


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