運動神経には
ちょっとは
自信があるけれどッ
この不自然な走り方に
さすがに足も縺れ掛けてッ。
セイがどんな目で
こっちの様子を見ていたか
なんて
考える余裕もなかった。
発車を知らせるベルが鳴り
そのまま
セイが待っているであろう
電車に押し込まれるッ。
「僕、ちょっと
忘れ物を思い出しましたから」
「えッ」
目の前のドアが閉まって
カノンくんを
ホームに残したまま
電車が動き出した。
動き出す電車のドアの
ガラスに
セイと私の姿が映り込んで。
私は自分が今
セイの腕の中にいるコトに
気づく。
「……」
「…あのバカッ。
何を考えているんだか」
カノンくんから
私を押しつけられていた
セイが
舌打ちをして。
セイの視線の向こう。
ホームから私達を見送る
カノンくんの背後に
白い制服を着た少女の姿。
「セイッ、今のホームにッ!」
ふくふくホッペの…!!!
「…さすが
肉まんオンナと呼ばれるに
ふさわしい体格だな」
…ふざけてみせるセイの
目が笑っていなかった。
熱愛ラッシュ!
本気ッ♂015
≪〜完〜≫
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