「やめてってばッ」
「……」
「セイッ」
「……」
「ダメだってばッ」
カノンくんの後ろで
私達が小競り合いを始めると
ダンッ!!!
おおきな音とともに
電車のドアが揺れる!
…カノンくんの皮の靴先に
新しい傷が入っていて
そのドアが
誰の足で
蹴りつけられたのかは
一目瞭然だった。
「…お前さあ。
不満があるなら
いきなり何かに
怒りをぶつけたりせず
口で言えよな」
セイがシラけた口調で
カノンくんの白い制服を
つま先で蹴りつける。
「そんなんだから
変なオンナに
つきまとわれたり
恨まれたり
事態がどんどん悪化して
いってるんじゃないのか?」
ってッ。
自分のコトを
思いっきり棚に上げて
セイがカノンくんに
説教なんかを始めててッ。
「寮の水道管の騒動だって
案外、あの肉まんオンナの
仕業だったりして」
「…セイってばッ」
そこまであの子のコトを
悪く言わなくても
よさそうなモノなのに。
「……」
黙り込んでしまった
カノンくんに
図星なんだろ、と
雨が激しく電車の窓を
殴りつけてきた。
熱愛ラッシュ!
本気ッ♂014
≪〜完〜≫
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