…セイは
私の性格や習慣の
根本的な問題点を

いつもサラリ、と
えぐってくるッ。


「そんな恨めしそうな目で
俺を見ても

事実は事実!」


…わかってるもんッ。


だけどッ

容姿のコトはともかく

性格のコトだけは
ヒネたアナタにだけは
とやかく言われたくは
ありませんッ。


言い返したいコトは
いっぱいあるけれどッ。

これ以上
自分の傷口を広げたくは
なかったから…。


「ほら!
ナンノちゃんも
落書きが消えない、って

肉まんオンナに対して
怒りまくってるぞ!」


…性格の悪さを
自覚してないセイが

私のケータイの
新着メールを
おおきな声で読み上げて。


「……」

ますます
私を憂鬱にさせた…。


なのに

「トーコ、お前
学校に戻った方が
いいんじゃないのか?」

セイってば

俯く私の頭頂部を
ケータイでグリグリと
えぐってくるッ。


「…もし落書きが
消えなかったら

ガラス代とか
僕も弁償しますから」


「!?」


今の今まで
すっかりとその存在を
忘れられていた
カノンくんが

突然、私とセイの会話に
入ってきてッ。


「…弁償、って」

そのリアルな響きに
私は自分を取り戻したッ。