…僕も、ってコトは
当然、弁償すべき人間は
僕の他にもいる、って
含みがあるんですよねッ。
「あのオンナノコと
カノンくんの
ふたりで弁償…?」
私がおずおずと
自分の希望的観測を
口にしてみるッ。
ペシッ!
「なワケないだろ!」
…予想通り
セイの厳しい愛のツッコミが
私の側頭部に入ってきてッ。
「中学生ごときに
何を弁償させると
言うんだか!」
「…だってッ!」
わかってるけどさッ。
哀しいかな。
高校生にもなっても
万年金欠病に
侵され続けている私ッ。
こんな私を
「トーコさんの弁済を
助ける為なら
いくらでも
お金は用立てますけど」
カノンくんの
さらなるひと言が
私の立場を
追い詰めようとしていたッ。
「…それは
肉まんオンナの為に
お金を出すのは嫌だけど
トーコの為なら
お金は惜しまない、って
そういう風に聞こえるが」
…そういう意味に
聴こえたのは
セイだけではありませんッ。
セイが
ベッドの上のカノンくんを
マジマジと見下していてッ。
「どう解釈されようと
僕は構いませんよ」
怖いモノ知らずとは
まさにこのコトッ。
悪いコトは言いませんッ。
カノンくんッ
セイの挑発に乗っかるのは
やめましょうッ。