「…チュー坊のガキが…!」


「僕とセイ先輩。
確かに学年は違うけど

生まれたのは
3か月も違わないでしょう?」


えッ。

そうなのッ!?

そうだったのッ!!!!?


…衝撃の事実に
思わず事態を忘れて

驚きを隠せない私がいてッ。


「…早生まれのセイと
春生まれのカノンくんッ!?」


干支も同じ。

学年の切れ目4月1日は
運の切れ目ッ。


人一倍成熟度の早い

世の中に揉まれ捲って
歪みまくった

40オヤジ顔負けのセイと。


この自分を曲げられない
まっすぐな純な少年がッ


生物学的年齢が
ほぼ一緒とはッ!!!!!


「…悔しかったら
俺と同じ学年になってみろ!」


「退学した先輩なんて

追いつくドコロか
そのうち
追い越しちゃいますけどね」


「……」
「……」

ふたりの間に
見えない火花が散っているッ。


「…学校に戻ろっかな〜」

私は
その後の冷戦を想像してッ

巻き込まれる前に
その場を立ち去るべく

ドアに向かって

スリ足で後退を試みたッ。


「僕もいっしょに
いきますよ」


カノンくんッ。

アナタの
そのやさしさは
ハッキリ言って迷惑ですッ!!