本気ッ♂012


シュ!

セイの拳が空を切って

バフンッ!


マヌケな音とともに

私に押し倒されるようにして

カノンくんのカラダが
私のベッドに倒れ込んだ!


「セイッ!
落ちついてッ!」


話せばわかるッ
わかるからッ!、って

カノンくんの為に
私は必死に
セイに向かって嘆願するッ。


「…よくもまあ
お前はそんな姿を
俺に見せつけながら

説得なんて出来るよなあ?」


「え?」


「…重いんですけど。
トーコさん」


どああああああああッ!!!


ベッドの上

仰向けにされた
白い制服の無垢な少年の
か細い腰の上に

大胆にまたがるのは

少年の憧れの年上のヒトッ。


「ご、ごめんッ」

慌ててカノンくんの上から
降りようとして

うぎゅむッ。

「!?」

妙な手の感触が
私のカラダを凍らせたッ。


「……」


柔らかいような
堅いような

不思議な堅さのソレが

カノンくんの
大事なイチモツだって
すぐに気づいたッ。


だけどッ

「キサマッ!
俺のトーコに
何をさせるんだッ!!」

ってッ。

被害者のハズのカノンくんが

セイによって

いつの間にか
加害者にされていてッ!!!


「……」

ベッドから
転げ落ちるようにして
ベッドと壁の隙間に入り込み

顔を私の枕に
押しつけるようにして

カノンくんが
激しい痛みに耐えているッ。