ブルルルル。
「お前のケータイが
教えて欲しいと
身悶えしているぞ」
「!!」
学校から帰って
バイブにしたままにしていた
ケータイが
こんなとき
誰かからのメールを
受信するッ。
「ナンノちゃんから、だ」
セイが私のケータイを
勝手にチェックしてッ。
「…今日、部活サボって
家に帰ってきちゃったから」
何かあったのか、って
ナンノ、きっと心配して
メールくれたんだ。
なのにッ!
セイってばッ
「面白いから
からかってやろう」
なんてッ!!!
とんでもないッ!!!
「返してッ!!!」
ケータイを
取り返そうとする私を
セイが自分の尻に敷いた。
「私は今
年下の情熱的な彼と
ラブラブなの。
邪魔しないで、と、送信ッ」
「セイいいいいいいッ!」
後生だから
この期に及んで
そんな紛らわしいメールを
冗談の通じないナンノに
送りつけるのは
やめてくださいッッ!!!!
「返して!」
「まだまだ!」
暴れる私のアタマを
セイは長い片腕で
布団に押しつけてッ。
「お!、来た来た!
返事来た!」
ナンノを
からかっているフリをして
セイは絶対に
私を困らせて楽しんでいるッ。
なのに。
「……」
ナンノから来た返信に
目を通したセイの動きが
ピタリ、と止まった。
「…これ、お前
心当たりが
あるんじゃないのか?」