本気ッ♂010
「学校はどうしたのッ!?」
突然、予定外に
早く帰宅してきた娘に
ママが慌てる。
「もしかして
お手紙を取りに
帰ってきたとかッ!?」
ママは
私から預かった手紙を
必死で捜索していたらしく
リビングやら
ダイニングやら
物凄い勢いで
散らかっていて。
そんな惨状を
横目で確認しながら
「…午後からの授業
先生がお休みで
自宅学習になったから」
私は真っ直ぐに
自分の部屋に向かった。
「そうなんだ?
あのね、トーコ。
ママが預かっていた
お手紙のコトなんだけど…」
私の後を
追い掛けるようにして
ママがおずおずと
言いにくそうに
手紙の話を切り出してくる。
「なくしちゃったんでしょ?」
「どうしてわかったのッ!?」
…わからいでかッ。
「ごめんなさいッ
今も心当たりを
いろいろ探していたんだけど」
「…もういいから」
「よくないわッ!!!」
ママが迂闊だったのよ、って
反省の弁を述べるまでは
よかったんだけど
「だからね。
ママはセイにもワケを話して
いっしょに…」
ってッ!!!!
「まさか、ママッ!
セイにお手紙のコト
話しちゃったのッ!?」
「あら、セイなら
口が堅いから大丈夫よ」
秘密厳守
してくれるから、って
ママッ!!!!!
セイに話しちゃったら
隠している意味が
ありませんッ。
いったい私は
誰の目を恐れていたと
思っているんですかッ!!!