結局ッ。

先生への課題は
間に合ったモノのッ。

問題の手紙は
カノンくんの元に
残ったままになっていて…。


「はあああああああああ」

「授業中に溜息をつくとは
いい度胸だな」


オマケに先生にまで
目をつけられるッ。


「ちょっと廊下で
アタマを冷やしてみるか?」


小学生じゃあるまいしッ。

この期に及んで
立たされんぼッ。


こんなトコロッ。

セイに見られたら
一生の笑いネタですッ。


なのにッ。

「あッ」

どうしてこういうときに
出遭ってしまうのかッ。


廊下の窓の下に

中庭に
ふくふくホッペのオンナノコを
発見するッ。


「…あの子にだけは
こんなトコロを見られて
幻滅されたくはないッ」


私は3階から
そっと様子を窺いながら

少女が立ち去るのを
身を潜めながら、待った。


「…でも、あの子
中庭なんかで
何をしているんだろう」

ふくふく少女は
中庭の植え込みに佇んだまま

ずっと微動だにしない。


昨日、部活を
見学に来ていたときは

お友達も一緒だったけれど。


「今日はひとりで来たのかな」

迷子なら
もっとキョロキョロしても
いいハズなのに。

どうしたんだろう。


「ここからだと
あの子の顔がよく見えないな」

私は
教室の中で授業している
先生のスキをついて

そっと
立ち位置を横にずらした。


「あれ?」

ふくふくホッペのオンナノコの
足元に
人影が伸びていて。


「茂みに誰かいる…?」