ピ。

ビリッ、ビリリリッ。

ピンクの封筒が
2分割。


ビリ、ビリビリリッ。
ビッ。ビッ、ビッ!!!!


ピンクの紙が風に舞いッ。


あっという間に

カノンくんの手によって

ピンクの封筒は
フクフク少女の目の前で
粉々に破り捨てられる…。


「…ウソでしょおおッ」


思わず
声をあげてしまった私に

「トーコさん」

カノンくんが気づいて
こっちを見上げてきた。


「…酷いッ!」

ふくふくホッペの少女が
ピンクの頬を真っ赤にして

キッと睨みつけたのは

目の前のカノンくんではなく

階段の踊り場にいた
この私でッ。


「ごごごごごッ」

誤解ですッッ!!!!!!!


その手紙ッ
カノンくんに渡したのは
私ではありませんッ。


ましてや破らせるなんて
そんな卑劣なマネッ

断じて私が指示したのでは
ありませんッ!!!!!


だけど。

大事な手紙を
他の誰かに預けてしまったのは
確かにこの私で。

言い訳なんか出来ない
立場なのかも
しれないけれどッ。


「あのッ…!」

ふくふく少女に
声を掛けようとしたモノのッ

如何せんッ。
お名前がわかりませんッ。