セイに
その存在を知られたら
大変なコトに
なりかねないからッ。

ここは大事に慎重に…。


「いないなら、いいんだ。

あのね、ママ…」


『セイなら今
寝てるみたいだけど』

起こしてみるわね、って

「ママッ!!」

そんな気遣いは
無用ですッ!!!

「昨夜ママに預けた
手紙なんだけどッ」

私は慌てて
ママに用件を伝えるッ。


『…手紙?』

「ほらッ
かわいいピンクの封筒の!」

『ああ、あれね!
あれならココに…

…あれ?』


「”あれ?”って、ママ?」

『……』

「ママッ!?」


『…ごめんッ。トーコ!
後から掛け直すからッ』

ってッ!!!


「ママッ、どうしたのッ!?」

ツーツーツー。

「ママッッッ!?」


ツーツーツーッ。


「…まさか、ママッ」

手紙を紛失しちゃった、とか

そ〜ゆ〜んじゃ
ないですよねッ。


ツーーーーーーー…。

「……」


落ちつけッ!

落ちつけ、自分ッ!


「ゴミの収集日って
昨日だったハズだからッ」

家の中には
絶対にあるハズだからッ。


「だけどッ」


まさかッ

ママは手紙を
セイに探させたりは
しないよねッ!?


私はママのケータイに
リダイヤルするけれどッ。


「ママッ。
どうして出ないかなッ」


一番知られたくない人間に
手紙の存在を
知られでもしたら

何の為に
ママに預けたのか
わかりませんッッ。