それでも頑張って


「…そッ、それッ。
シャンプーだしッ」

髪なら
もうトリートメントも
終わったから、って

私も余裕のない笑顔を
返してみせるけどッ。


「下の毛のシャンプーは
まだだろう？」

ってッ。


「そんなお心遣いは
結構ですッッ！！！！！」


後ろに体重を掛けた瞬間。

セイの腕の隙間から
私のカラダが

するり、と抜けて！！！！


どぼんッ！！！！


ぶくぶくぶく…。

私は湯船にアタマから
突っ込んでしまうッ！


「……」

水面の向こう
セイのシルエットが
揺らいでてッ。


「お・バ・カ」

って

その口が絶対に
言っていたッッ！！！！！


ざばあッ！


「セイッ！
今、私の悪口ッ
百くらい言ってたでしょッ！」


水面から勢いよく
上がりながら

私はセイに訴えるッ！



「……」

「何よッ！！！」


「いや、凄いな、と思って」

「何がよッ！？」


「…母さんから
ウワサには聞いてはいたが」

「？」