本気ッ♂004
どッ、どどどどどッ
ど〜してカノンくんが
こんなトコロに
立っているのかッ。
「…カギが
掛ってなかったから」
てっきりトーコさんは
お風呂を出たとばかり
思ってました、って
私が聴きたかったコトを
カノンくんが
顔色ひとつ変えずに
口にするッ。
「…さっきセイが」
カギを開けてッッ!!!
なんてッ。
そんな言い訳なんか
しようモノなら
多感な男子中学生を
刺激してしまいそうだッ。
「わわわわ私はねッ」
私はテンパッたアタマで
必死で言い逃れしようとして
「え」
カノンくんが
私の脱ぎたてのブラを
手にしているコトに
初めて気がついたッ!!!!!
「カノンくんこそ…ッ!
こんなトコロで
何をしてるのかなッ」
見て見ぬふりをして
この場をやり過ごせば
よかったのにッ。
あまりのその衝撃に
私はつい口に
出してしまっていてッ!!!
「…ああ。
コレ、トーコさんの」
カノンくんは
手の中の私のブラを
しげしげと見つめながら。
「意外と派手なの
つけてるんですね」
ぱふぱふ、と
胸のパットの部分の感触を
珍しそうに
指で確かめているッ!!!
「なななななななッ」
取り返したくても
コチラは全裸ッ。
下手に騒ぎ立てて
セイにこの状況を
目撃されようモノなら
血の雨を見るに
等しいだろうッ。
なのにッ!!!
「ふッ」
「何がおかしいのッ」
私の脳内パニックをよそに
カノンくんってば
笑ってたりしてッ!!!
「…別に」
何を考えて
笑ったのやらッ!!!
…胸がないのに
たくさんのパットで
見栄を張ってるからッ!?
顔に似合わず
派手な下着を
つけてるからッ!?
ああ〜ッ!
カノンくんの
含み笑いの意味を
考えただけで
この世から
消えてしまいたく
なりますッッ!!!
「…汚れてるでしょ」
「えッ」
「下着ですよ」