そうだった。
セイもまだお風呂に
入ってなかったんだった!
「あ、ごめん!
あと15分で出るから!」
「まだ15分も掛るのか!」
俺が5分で
洗ってやろうか、って
どん!、どん!、どんッ!
バスルームのドアを
ノックしてくるッッ!!!!
「…5分で出ますッ!!!」
ぶくぶくぶくッ。
セイには聴こえないように
お湯の中に口をつけて
文句を言っていたら
「カノンのカラダの
いろんなトコロを
包み込んでいたお湯になんか
よくもそう長々と
浸かってられるよなッ」
「ぶくッ…」
…セイが
恐ろしい指摘をするッ。
「5分経ったら
また来るからな!」
どんッ!
セイはまた
おおきくひとつノックして
洗面所から
出ていったようだけど…。
「ふうううううッ」
すっごく緊張したぞッ。
「速攻でカラダを洗わねばッ」
髪のトリートメントを
シャワーで洗い流し
私は自分専用の石鹸を
手に取った。
あれ?
「…カノンくんが
使ったのかな」
石鹸が
半乾きになっていて。
「あ、こっちもだ」
これまた同じく
私専用のピンクのタオルが
生乾き状態だ。
「……」
カノンくんが
使ったタオル…?
「……」
カノンくんの
カラダを洗ったタオル…?
「……」
カノンくんが
カラダのいろんなトコロを
擦ったタオル…ッ!?
「…まさかッ」
考えすぎだよねッ。