こそこそと
自分の食べ終わった
お皿だけを持って

そお〜っとキッチンへと
雲隠れしようとする私に


「トーコ。
セイが買ってきてくれた
ロールケーキは
パパが帰ってきてからよ」

なんてッ。


「…ママッ」

この期に及んで
盗み食いなんて
さもしいコトなど
考えてもいませんからッ。


「…だけど」

セイってば
昨夜の約束守って
ロールケーキ
買ってきてくれたんだ…。


カノンくんがいるから
5分割か…。

「…ワケマエがちょい減るな」

冷蔵庫の前で
ちいさく溜息をついた私に


「僕の分をあげますから
5分の2の取り分ですよ」

「!!」

すれ違いざまに
カノンくんは
確かにそう言って

食べたお皿を洗い始めた。


「…そんなッ。
気を遣わなくていいんだよッ」

自分の食い意地が
何だかとっても
恥ずかしくなってくる。


「トーコさんが
美味しそうに食べる顔が
想像できますから」


え?

「今の…」

どういう意味、って

もう一度
訊き直そうとした私が
バカなのか。


「スポンジ
これ使っていいですか?」

「あ、うん」


黙って洗いモノを始めてる
カノンくんの横顔に

セイの過剰な苛立ちの
真の意味を

私は汲み取るべきだった…。





熱愛ラッシュ!

本気ッ♂002

≪〜完〜≫


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