本気ッ♂022
「【大変なコトになった】
って…」
何よりも
誰よりも
いつだって
私のコトを
優先してくれてきたセイが
すぐに次の駅で折り返して
この駅まで
戻ってくれなかった事実に
何か変だ、と
私はもっと早くに
気づくべきだったのに!
「電話も出来ないような
状況なのかな」
不安が
どんどんおおきくなってゆく。
メールを返信しても
大丈夫かな…。
「…セイのコトだもん。
ヤバかったら
電源オフにしてるよね」
私はセイからきたメールに
【詳しい状況を教えて】
取り急ぎ
それだけ打って
返信してみた。
だけど。
待てど暮らせど
私のケータイは
死んだようにおとなしくッ。
「……」
パン、パン、パンッ。
「……」
パンッ、パパン!
「……」
ババンバンバンバンバンッ!
「…ケータイは
叩いたりしない方がいいと
思いますけど」
私の焦りを
ふくふく少女が
冷めた目で嗜めるッ。
…誰のせいでッ。
そのセリフが
ノドまで出掛かった、けどッ。
駅のホームに
次の電車が
近づいてきたコトを知らせる
放送が流れてきて。