「あああああ〜…」


次の電車まで
どれくらいあるんだろう。


こんなトコロで
足止めされてる
場合じゃないのにッ!


「こうしている間にも
セイは…」


ああッ。

あまりの苛立ちに

アタマの中とハラワタが
煮えくりかえっているのが

自分でもわかるッ。


タクシーなんかを
使ってる時間もないし。

こんな突然の雨。

きっと道路も込んでいるに
決まってて。


「……」

雨に滲んでいる時刻表に
目を凝らしていると

おばあさんには

私のその姿が

天に向かって
悲嘆にくれているように
見えたのかッ。


「オンナの顔は
美醜じゃありません。

愛嬌ですよッ!」


…ってッ。

まだ言うかッ。


「あのッ、私はですねッ」


「アナタの顔には
ヒトを思わず脱力させ
和ませるモノがあります!」

もっと自分に
自信をお持ちなさい、ってッ。


「……」
「……」