アタマの中が沸騰し
自分のアタマの中で
何をどう整理していいのかさえ
わからなくなった。
「…ヒトの話は
冷静に最後まで聴け」
「だってッ!!!!」
「そんなだからお前は
いつまでも
赤点から脱出できないんだ」
なんてッ!
こんなときに
そんな話を持ち出してきて
おおきな声で
聞えよがしに発言する
アナタは
まさに根っからの
サディスティックな
お方ですッッ。
クスクスクス。
乗客の皆さんの失笑を
痛い程カラダに感じッ。
「こッ、この間のテストは
百点だったんだけどなッ」
必死でこの場を
取り繕ろいながら
額から
嫌な汗が滲んでくるッ。
「小学生の算数ドリルの
話だろ?」
「違いますッッ!!!!
中学生の難しい漢字ですッ」
「ああ、”弱肉強食”を
”焼肉定食”と書いて
あまりにベタすぎる解答に
思わずお情けで
オマケしてやったヤツね」
「あれはッ!!!」
セイってばッ
どこまで私を貶めれば
気が済むのかッ。
「キッチンから
お肉を焼く匂いが
してきたりするからッ
出題者の
悪意に満ちた引っ掛け問題に
ハマってしまっただけ
じゃないッ」
セイと会話を重ねる程
恥を上塗りどころか
厚塗りしてるのは
気のせいでしょうかッ。
クスクスクス。
車両の中あちこちで
ますます失笑の声が
蔓延していっていてッ。
乗客のたくさんの視線を
嫌という程
私の背中に感じますッ。