私の関心が

セイの真横に掛かってある
制服にあるのだと
わかったら…。


その後のコトを
想像しただけで

背中が寒くなるッ。


「この部屋ってさ。
ホント掃除が
行き届いているよね〜」

…自分でも
白々しいと思いつつ

私は視線を
床に落とし続けた。


早く生徒手帳を
秘密裏にレスキューする
いい方法を考えねばッ。

何かいい方法

いい方法を…。


コショコショ、ショ。

「!?」

うつむく私の唇を刺激する
この毛の感触はッ。

「ブラシッ」

ですかッ!?


セイがぶっとい筆を

絆創膏の取れた指で

オカマチックに
摘まんでいてッ。


脱毛されそうになる夢が
鮮やかに甦ってくるッ。


「どどどどど、どこで
そんなモノを!?」


「肉まんオンナが
お前に、って」

「え」

突然、意外な名前が
セイの口から
飛び出してきて

動揺したッ。


「どどどどどうしてッ」


「出掛けようとしたら
ウチのマンションの前で
ウロウロしていたから

ちょっと
声を掛けてやったら」


「中学生から
脅し取ったのッ!?」

「……」

「いえ、あのッ」

「向こうが
押しつけてきたんだよ!」

セイが私の顔を
筆で乱暴に撫で回した。


「カノンくんに、じゃなくて
私に?」

「お前にだと思うぞ」

セイが筆を私の目の前に
突き出してきて

筆の胴体部分に
刻まれていたコトバが

私の目に入ってくる。


…これって。