ヒトのコトを
アタマが悪いの何のってッ
こっちも素直に
受け取りにくいですッ。
「…もっとも。
コイツだって
余裕然と
この白い制服を
着ていたけれど
実情は
進級も
かなりヤバい状況だった
らしいから
この筆を受け取る資格は
コイツにもあるのかもな」
「え」
…それはッ。
もしかしてッ
ママが今
お見送りにいっている
カノンくんの担任からの
情報なのでしょうかッ。
「本気で
お前の学校への編入を
考えていたみたいだし」
てッ!
えええええええッ!
大声を上げようとした
私の口の中に
持っていた筆を
突っ込んできてッ。
「ケホッ、コホホッ」
むせる私を指さして
セイが楽しそうに
笑ってるッ。
…だけど。
すっごい意外ッ!
メチャクチャ意外ッ!
「カノンのヤツ
落書きを消す溶剤が
どこにある、とか
お前の学校のコト
気持ち悪いくらい
調べ歩いていただろう?」
…カノンくんって。
「私に興味が
あったんではなくて…」
純粋に
新たな環境を
探っていたんだ…。
「お前が
そう思ってしまうのも
無理はない。
俺だって
最初はコイツの目的が
トーコではないか、って
疑っていたくらいだから」
「え」
「だから
コイツの動向を警戒して
先手を打って。
本当に疲れたよ」
ってッ。
もしかして…。
「お風呂場の
私のピンクのウサギの
タオルを使ったのも…?」