「何を笑ってるんだ?」


「いえ、別にッ

しあわせだなあ、なんて
思ってねッ」


私は笑いをコラえながら

カノンくんの制服を
ロッカーの中に片づけた。


「お前はホント
かわいいヤツだよな」

セイが
私のカラダを引き寄せて

「あ」

ちいさなキスを
私の唇の上に落とす。


セイのやさしい笑顔。

夕陽を反射して
その瞳は
キラキラと輝いていて…。


「地下道の中を
流れてきたトーコは

まるで
羊水に濡れる
生まれたての
仔馬のようで…」

…はい?

「本当にお前は
いつでもどこでも
どんな状態でも
なんて
愛くるしいんだろうッ!」


セイが
ぎゅうううむ、と
私のカラダを
ハグハグしたッ。


「今夜はこの筆で
楽しいコト
いっぱいしような!」

「……」

「何ならここで
今夜の予告編
やっちゃうか!」


調子に乗ったセイが

カーテンの中に
私のカラダを
引き入れてッ!!!


「あら、トーコ
来ていたの?」

「!!!」

ママが
ナイスなタイミングで
戻ってくるッ!