【199】
小銭ちゃん。
「体育館で
エキシビジョンやりますから」
道行く新入生に
チラシを配ろうとするも
受け取ってさえ貰えないッ。
「何とか新入生の目を
惹きたいんだけれど」
どうやったら
みんなの注目を
集めるコトが出来るのかッ。
「セイ〜。明日、学校に来て…」
「明日は
大事なミーティングがある、と
何度も言わせるな」
セイに小突かれ
私はリビングのテーブルに
突っ伏し溜息だッ。
「…まあ。
みんなに注目をして貰う
いい方法がなくもないけれど」
「えッ!?」
翌日、セイのアドバイス通り
学校の放送室を借りて
エキシビジョンの
告知をするコトになったけど。
「校内放送なんて
どの部もやってるから
みんな聞き流しちゃうと
思うけどね」
部長のナンノが懐疑的な目で
放送席の私の動向を
見つめているッ。
うっふっふ。
私は余裕の笑みを見せ
「では、いきますッ」
マイクのスイッチを
オンにして
セイに言われた通り
マイクの前で
サイフの中身をぶちまけた!
『チャリ、チャリ〜ン!』
小銭の甲高い音が
スピーカーから流れると
道行くみんなが
音の方向を探しててッ。
いいぞッ。
セイの言ってた通りだ!
さあ
みんなが耳を澄ましている
この絶妙なタイミングで
『こんにちは!
女子新体操…ぶッ』
告知をしようとしたのにッッ
『恥ずかしいマネ
しないでくれるッ』
ナンノが私の口を塞ぐとは
想定外の出来事だったッ。
けどッ!
「女子新体操部って?」
「今、何があったんだ?」
「”恥ずかしいマネ”って
何かしようとして
やめさせられたのか?」
謎の放送中断が
みんなの好奇心を刺激して
エキシビジョンは
大入り満員ッ。
だけどッ。
「あれが例の”小銭ちゃん”
だってさ」
エキシビジョンの最中に
私は嫌な指のさされ方を
され続けッ。
「これでトーコも
新体操部の花形スターだな」
まさか本当にやるとは
思わなかったよ、と
他人事のように笑うセイが
憎たらしいッ!!
とことんトーコッ☆【199】
≪〜完〜≫
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