【197】

謝罪と感謝。

久々の動物園。

セイがすんごく
楽しみにしていたのに。

「…ごめんね」

またしても
私が赤点など取ってしまって

先生から宿題を唸る程出され

デート出来なく
なってしまったッ。


昨夜からずっと
セイがつきっきりで
勉強を見てくれているけれど。


「…本当にセイ。
ひとりで行ってきてくれて
いいんだよ?」

「トーコ、お前は
日曜日の真っ昼間
俺にオトコひとりで
動物園に行け、と?」

「…そうだよね。ごめん」

「…ふんッ」

セイが私の気遣いに
また溜息をつく。


「おマヌケなカピパラを見るの
セイはあんなに
楽しみにしてたのに…」

「はいはい、はい!」

「黄ばんだ白クマだって…」

「もういいから!」

セイが掌でプリントの上を
バンッ、と叩いて

「少しは勉強に集中しろ!」

俺の貴重な時間を
無駄遣いさせる気か、って

セイが私の顔を
プリントに向けさせた。


「…そうだよね。ごめん」

「昨夜から
お前は謝ってばかりだな」

「…ごめんなさい」


「お前が俺に
何かを言うとしたら

ごめんなさい、じゃなく
ありがとう、だろ」


「え」


「トーコと楽しむ動物園も
いいけれど

今は
トーコに感謝される光栄に
溺れていたい」





とことんトーコッ☆【197】

≪〜完〜≫



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