【193】
昭和生まれの駄菓子
パパが出張先で
懐かしの駄菓子を見つけて
買ってきた。
「すごい趣きのある
昭和の香りがする店でね」
パパが興奮を隠せずにいる。
「シガーチョコ?」
平成生まれの私もセイも
お目に掛ったコトもないような
レトロさで。
「タバコに見せ掛けた
チョコよ!」
懐かしいわ、とママが
紙を剥がして
私の口にシガーチョコを
タバコのように咥えさせたッ。
「…変な味」
「あら?、これって
こんな味だったかしら?」
「ハッカ味が
すっかり抜けてるね…」
シガーチョコを咥えた
パパとママが
ふたり顔を見合わせるッ。
「今どきの子は
ハッカ味とか嫌いだから」
見た目は昔と同じでも
駄菓子も時代に
迎合しちゃったんだね、と
期待がおおきかった分
パパがガックリと
肩を落としている横で
何やらパソコンを
いじっていたセイが
「…父さん、その駄菓子
最後に生産されたのが
30年前になってるけど」
検索し立てのネットの画面を
私達に見せてきたッ。
「…30年前の駄菓子?」
「…おいおい。
食べちゃったよ…」
固まる私とパパの横で
「あら、昔の駄菓子には
賞味期限なんてなかったから
全然、大丈夫よ!」
ママがひとり
力強く太鼓判を押すッ。
とことんトーコッ☆【193】
≪〜完〜≫
この作品をお読みになった
感想をお寄せください。
下記の感想の中から
ひとつ選び
【いいね!】ボタンを押すと
お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。
絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。